|
阿奈井文彦著 『アホウドリの仕事大全』
S=ターケルの本に『仕事』という本がある(訳本:晶文社刊)。この本は、その『仕事』にそのアイデアを借りているのではないかと思わせる本である。
『仕事』というのは、アメリカの様々な職業人にその職業についてインタビューした本で、堅い仕事から柔らかい仕事まで、官僚から売春婦まで、網羅している感がある。 一方この本は同じように職業についてのインタビュー集ではあるが、限りなく”優等生”的である。扱われている職業は多様であり、必ずしも古い職業ばかりではないのだけれど滅びかけている古き良き時代の記録といった趣がただよってくる。 (1993年04月) 徳間書店文庫 1992刊 |