|
永六輔著 『評論家ごっこ』
この作品は、夕刊フジに連載されたコラムを単行本化したもので、102編が収録されている。このコラムで永氏は様々な「にわか評論家」になる。その日その日に扱うテーマによって、「評論家評論家」やら「ドーナツ評論家」やら「呼吸評論家」やら「電話評論家」やら……。
夕刊紙のコラムということから語り口は柔らかくユーモアもたっぷりあり読みやすい。そしてすべての文章を、世の中を見る「永氏のスタイル」が芯として貫いている。独自の「スタイル」がエッセイを魅力的にするのだなあ、と、もう腹も立たない……とまずいので、自分で自分の腹を立てる。 (1993年08月) 講談社文庫 1992 |