|
シュテュンプケ著 『鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活』この本は、紹介しにくい本だ。内容や背景を詳しく書いてしまうと、読む楽しみが半減してしまうだろうと思えるからだ。なので、思い切り簡潔にまとめる。この本は、孤立した生態系で特殊化した鼻行類に属する動物に関する唯一の報告書である。鼻行類は、その名が示す通りの特殊な形態と生態をもつ動物群であり、本書では、それぞれの種の形態と生態が図版を用いて説明されている。 ◇ この本は、紹介しにくい本だ。内容や背景を簡潔に書きすぎると、実際に読まない人に大きな誤解を与える危険が高いと思える。なので、詳しく書いて……と思ったが、書くのはよそう。書いてしまったら、ますます、この本を読んでもらえなくなりそうだ。 この本は、鼻行類という風変わりな名をもつ分類群の動物について、それぞれの種の生活ぶりや形態などが、図版を使って説明してある。名前の通り奇妙な形態と生態をもつ不思議な動物たち。こんな珍しい動物がTV番組で取り上げられないのは、取り上げようがないから。この世に存在しないものは、取り上げようがないのだ。なぜ、存在しないのか。その理由は……、本書を読めば謎が解けるだろう。 (2013年10月) 思索社 1987(原著 1961) |