|
山室静著 『ギリシャ神話 付北欧神話』ギリシャ神話と北欧神話を紹介している本で。様々な文芸作品のなかで聞いたことがあるが、中身はよく知らないという神や人物や事件が簡単にまとめられている。オリンポスの十二神――ゼウス、ポセイドン、ハデス、アポロン、アレス、ヘルメス、ヘパイストスといった神とヘラ、アテナ、アルテミス、アフロディテ、ヘスチアといった女神――や、シジフォス、オリオン、ナルキッソス、ペルセウス、ヘラクレス、オルフェウス、オディッセウス、アキレウス、アガメンノン、ヘレナといった人間たち、ミノタウロス、メドゥサといった怪物など……。 パリスの審判とトロイ戦争や、オイディプスの悲劇といった事件。こうしたものがギリシャ神話にその源をもっているのである。 そしてこの本は、あまり紹介されることのない北欧の神話も扱っている。ここにも、オーディーンであるとか、フレイヤ、ワルキューリ、ワルハラといった耳にしたことのある言葉がけっこうある。 娯楽小説を読むみたいに面白いわけではないが、読んでいて興味深い本だと思う。特に上に挙げた名前や、パンドラ、プロメテウス、アトラス、ディオニソス……といった名前を、それなりに聞いたことのある人にとっては、そうした言葉の背後にある世界をかいまみるという楽しみ方ができるでしょう。 (1991年09月) 社会思想社 現代教養文庫 1962初版/1981改版 |