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品川駅の夜(伊吹 唯



吉行淳之介著  『恐怖対談』 シリーズ

 吉行淳之介氏の対談集である。

 この対談シリーズは、タイトルにあるように「恐怖」を基本テーマとしている。人間が経験する様々な「恐怖」について対談している(ことになっている)。ただ、必ずしも典型的な「恐怖」ばかりではなく、右にひねったり左によじったり「あれも恐怖これも恐怖」という感じで幅広い「恐怖」が登場する。

 まあ、これは会話の流れで如何様にも話題が流れてしまう対談という形式のせいもあるだろうし、吉行氏が「恐怖について対談しよう」などと拘っていないせいもあるだろう。とにかく読みやすく、気楽に読めて、なお面白い。



 第一集『恐怖対談』は1974年10月〜1976年 4月にわたって行なわれた次の10人との対談を含んでいる。
 半村良・渡辺淳一・長部日出雄・立原正秋・淀川長治・北杜夫・筒井康隆・殿山泰司・山口瞳・今東光

 第二集『恐怖・恐怖対談』は1977年 7月〜1979年 9月にあたる。
 色川武大・佐野洋・五味康祐・生島治郎・野坂昭如・斎藤茂太・小沢昭一・黒田征太郎・開高健・井上ひさし

 第三集『恐・恐・恐怖対談』は1980年 7月〜1981年11月に対応し登場は次の面々である。
 池田満寿夫・阿刀田高・倉本聰・篠山紀信・北杜夫(2度目)・小松 左京・丸谷 才一・森繁久弥・小田島雄志・山藤章二

 第四集『特別恐怖対談』は1983年12月〜1985 6月の期間、小説新潮に掲載された。
 星新一・瀬戸内晴美・村松友視・黒鉄ヒロシ・吉村昭・山下洋輔・和田誠・沢木耕太郎・結城昌治・遠藤周作

(1992年11月)

『恐怖対談』(1980刊)
『恐怖・恐怖対談』(1983刊)
『恐・恐・恐怖対談』(1986刊)
『特別恐怖対談』(1987刊)
新潮社文庫

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