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壁の向こう(根津美術館



ル・ロワ・ラデュリ著 『モンタイユー ピレネーの村 1294〜1324』 (上)

 Le Roy Ladurie はアナール学派の歴史学者で、この本(原書)はそのもっとも成功した本のひとつである。

 内容は、残された記録をもとにピレネー地方のモンタイユー村の農民の生活を再現したもので、まるで歴史小説でも読むような生き生きとした描写になっている。

 基となった記録はジャック・フルニエという司祭(のち教皇となる)が指揮して行なった異端審問の記録である。

 全体は一部と二部からなり、一部では村の生活、とくに「家」の意味と「羊飼い」の世界が記されている。二部はぐっと微視的となり歴史というより、まるで民俗学のような印象がある。読む労力はけっこう大変だが、歴史か民俗が好きなら楽しめる本である。

(1990年10月)

刀水書房
1990刊(原書1975)


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