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現代言語セミナー 『何度でも、ラブアタック』
『恋愛について』のところで書いたような理由で、恋愛物の方に意識が向いていたためか、倉橋さんの作品を探しているときに、ふと目に留って読んでみた本です。
内容はというと、いろんなところ(小説が多くて、あとはその他の文芸作品や現実世界)から、口説きのせりふを集めてきただけの、ほんとうに“安易な”もんです。でも、けっこう笑わせてくれました。たとえば、「お茶でものみませんか」という科白が実際に小説にあるなんて信じられますか? あるいは、よく知った作品(岸辺のアルバムとかエースをねらえとか)の口説き文句を文脈から切り離して見るというのは本当に変です。ところが、実際のプロポーズの言葉だとなぜか変に感じないんですね。何故なんでしょう? (1990年07月) 角川書店 文庫 1988 |