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本多勝一著 『貧困なる精神 F集』
本多勝一氏について知っている人でも、本多氏の『貧困なる精神』シリーズはどうでしょう。以前はすずさわ書店から出ていましたが、朝日新聞社に変わったようです。
この『貧困なる精神』のシリーズは本多氏が新聞・雑誌等に書いた文章を収録してあります。だから朝日新聞に載った記事が収録されていたりもします。しかし、非売品の雑誌や聞いたこともない雑誌に本多氏が書いた文章は、私たちは読む機会がないわけで、こうした形で個人エッセイ集として出版してくれるとたいへん役にたつわけです。また、新聞記事も単行本になっていると何時でも読めるわけで、その意味でも有用です。 さて、この『貧困なる精神 F集』についてですが、中心的に扱われていたのは長野オリンピックをめぐる問題、特に国土計画という会社が如何にオリンピックで儲けようとしていたかを、また儲けるためには自然破戒をしても恥じるところがないことを述べています。自然保護を願う、あるいは考えたいと思う人は是非この本を読んで、企業のやり口を知って欲しいと思います。 (1991年03月に書く) 朝日新聞社 1990 |