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安本美典著 『邪馬台国への道』安本氏は邪馬台国について積極的に発言をしている人で、専門は数理文献学。基本的な立場は邪馬台国東遷説。この説では、大和朝廷を打ち立てたのは九州の邪馬台国の勢力を受け継ぐもの(分流)であるとする。本書では、まずこの邪馬台国東遷説の流れについて略述したあと、数理文献学を適用した成果から自説を展開する。おもしろいのは、記紀の天皇在位期間の記録のうち歴史的事実として信用できるデータ(第三十一代以降)から平均在位期間を計算して、それを三十代以前(及びその祖たる神)に当てはめることで三十代以前の天皇(及びその祖たる神)が実際に在位した年代を推定した結果である。すると卑弥呼は天照大御神になる。さらに数理文献学の手法によって邪馬台国の場所の特定も試みています。 (1990年03月) 徳間書店 文庫 1990 |