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星新一著 『進化したサルたち〔1〕』
これは小説ではない。
星新一の本で、小説でないというのは珍しいのかな……と思う。 この本は小説ではない。ない……ことははっきりしてるのだが……。では何かと言われると困る。著者自身が「このたぐいの本をなんと称するものなのか、私には見当もつかない」と言っているのだから。 で、中身は、アメリカのひとこま漫画の紹介である。星氏はひとこま漫画の収集が趣味だとのこと。なので、この本にはアルコールでも飲みながら分の趣味をおしゃべりしているかのような気楽な雰囲気がある。 本には、実際に多数の漫画が収録されていて、作品が扱っているテーマによって分類されて並べられている。「死刑」「発明」「囚人」「裁判」「ボクシング」……などなど。 星氏の文章で一度、漫画だけを読んでもう一度。1冊で二度美味しいからお安くなります。 (1993年03月に書く) 早川書房 (文庫 1975) |