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星新一著 『声の網』
本書は12編の短編から構成されている。短編なので、ショートショートに比べれば随分と長く感じる。
12編はすべて同じ世界を舞台としている。そして、12編を読み進むうちにこの世界を支配する「声の網」の正体がはっきりしてくる……、そんな構成である。 この短編集に含まれている短編には、作者の意図的な遊びがある。 まあ、単純な遊びなので「遊びがある」と思って読めば3編めには気がつけるのではないだろうか。2編めで気がつけばかなり、もし1編めで気がつけるようなら……、すごいかもしれない。 (1992年12月に書く) 講談社 文庫 1973刊 |