筒井康隆著 『フェミニズム殺人事件』
南紀産浜の小さなホテルに作家の石坂が6年ぶりに向かうところから作品は始まる。石坂は6年前、そのホテルで夢のような時間を過したのだ。
が、石坂を迎えたのは連続殺人事件。
限られた数の宿泊客のなかに犯人がいるのか、それとも外部からの侵入者の犯行か。次ぎは自分が殺されるのではないかという恐怖の中で、犯人探しの推理が続く。
タイトルの「フェミニズム」の意味は?
石坂が6年前に過した夢のような時間とは?
質の高いエンターテイメントである。
(1993年07月)
集英社
文庫
1993