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精子発見のイチョウ(小石川植物園



筒井康隆著 『着想と技術』


この本は、作品を創るときの秘密の一部を筒井さん自身が解き明す本です。確かに、小説を書く、創作をする、その際に参考になるであろうことが散りばめられています。

筒井さんの場合、ポイントは、心・意識をよぎる着想のフラッグメントを大切にすることだそうです。ただ、真似をしても本家を超えられないとも書かれていて、参考にすれば良いというわけでもなさそうです。

この中で『虚人たち』という作品について、自ら解説した文章が載っています。自作をここまで丁寧に解説するのも珍しいなぁと思うほど、いろいろ説明してくれています。私は、この解説を読んで『虚人たち』に興味をもち、書店を探し回って読みました。本当に刺激的な作品でした。ただ、解説を先に読むのはお勧めしません。小説を読む。驚く。解説を読んで膝を打つ。この順番が良いと思います。

『着想と技術』は、筒井康隆という人を知ることができる、非常に面白い本だと思います。


(1990年04月に書き2013年08月に直す)


新潮社
文庫
1989


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